小売・メーカー・物流の「余白」は、同じ税率変更でも同じ場所に現れません。商品が店頭へ届く経路に沿って、価格に出ない差の候補を追います。
余白を持つ主体を切り分ける
「減税の余白」は一つの利益箱ではありません。
小売、メーカー、物流が異なる費用を抱えるため、価格に出ない差を段階ごとに追わなければ、どこへ残ったかを説明できません。
小売の値札と販売量
小売では値札と販売量が手掛かりになりますが、棚の価格が変わらない理由は人件費や店舗費にもあります。
8%から1%への税率変更の理論値約6.48%を、そのまま店頭の差と読むことはできません。
メーカーの原価と設備
メーカー側では原材料費や生産設備が価格判断に影響します。
価格還元率80%を標準にすると家計側は約5.19%下がりますが、残る部分がメーカー利益へ全額移る計算ではありません。
物流費が吸収する差
物流は燃料、倉庫、配送網の費用を受け持ちます。
税率差が輸送段階で吸収される可能性を含めると、値札だけを見て小売の取り分を断定するのは危険です。
契約で変わる通過点
同じ食品でも、取引契約や仕入れ時期が違えば差の通過点は変わります。
モデルは産業別の契約や市場構造を直接再現しないため、業種別の実額は示しません。
三業種を平均しない理由
企業再配分率30%を使うのは、値下げ以外に回る可能性を比較するためです。
賃金、投資、利益のどれへ何割という実績を示す数字ではなく、問いを整理するための仮定です。
比較値の使える範囲
家計の追加消費50%が企業の売上へ波及しても、輸入流出率18%は海外への支払いになります。
小売・メーカー・物流の国内効果は、国内に残る経路だけを拾って読む必要があります。
資料と計算の境界
世帯の品目構成と地域差、企業ごとの価格決定は完全には再現しません。
就業行動や食事の選択確率、制度運用コストも対象外なので、三業種の余白を実績値として並べないでください。
国税庁 消費税の軽減税率制度(2026-08-25参照):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6102.htm
財務省 消費税の概要(2026-08-25参照):https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d04.htm
総務省統計局 家計調査(2026-08-25参照):https://www.stat.go.jp/data/kakei/
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